世界遺産に登録された病院

 近代建築の病院が世界遺産となった例はありませんが。文化遺産として登録されている病院がいくつかあるので紹介します。

●サン・パウ病院
スペインのバルセロナ、サン・パウ病院は、カタルーニャ音楽堂とともに世界遺産に登録されている建物です。サン・パウ病院は、ナスル朝滅亡後にイスラムの建築様式とキリスト教建築様式がミックスされた、「ムデハル様式」の建物で、文化遺産として登録されています。1930年の建築物ですから現在は老朽化が進み病院としては閉鎖されていて、診療等は新しい建物で行われています。残念ながら、修復中の箇所があり、観光の際は見学できない部分もあります。ちなみに文化遺産登録時には実際にここで診療が行われていました。
●ディヴリーイの大モスクと病院
トルコのディヴリーイ(ウル・ジャミィ)の大モスクと病院も有名です。1229年に、スィヴァス県のディヴリーイに建設された建物で、病院はモスクの付属施設。イスラム教では偶像崇拝が禁じられていますから、建物そのものに大きな価値があり、細やかな彫刻が施された門や壁などが見どころになっています。世界遺産になっているのはここだけですが、トルコではモスクと病院が併設されるのは珍しい事ではないようです。
●オスピシオ・カバーニャス
メキシコのハリスコ州、グアダラハラにある総合病院「オスピシオ・カバーニャス」は、文化遺産として世界遺産に登録されている建物です。巨大な施設ですが、一階建てて病人に配慮した作りで、もともと病院、孤児院、救貧院としての機能を併せ持った施設の理念が見える建物になっています。

 

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