病院と建築基準法

 病院は、入院患者の安全を確保する必要がありますから、建物についても普通の住宅に比べて安心な建物のようなイメージはないでしょうか。実際に病院建築で決まり事があるのかを、建築基準法で見ていきましょう。
 まず、病院は、どこにでも建築できるわけではありません。用途地域は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、工業地域、工業専用地域では設置できないことになっています。ただし、診療所はこの限りではありません。
 次に建物についてみていきましょう。制限や基準が設けられているのは、採光、トイレの構造、間仕切壁を準耐火構造、廊下の幅、2以上の非難用直通階段、非常用の照明、防音、防火壁などについて、建築基準が設けられています。耐震基準ももちろん設けられていますが、古い建物の病院は現在の耐震基準を満たしていないもの、耐震工事が進まないままになっている建物も存在します。また、延べ面積が500m2を超える病院は一級建築士でなければ設計や工事の管理は行えません。病院はバリアフローがは当たり前になってきていますが、バリアフリー設計は基準ではありません。これはちょっと意外ですね。
 また、病院はその安全性を確保するために、定期的に専門の技術者の調査、または検査を定期的に受け、行政に報告する義務があります。建物の報告は3年ごと、エレベーターや換気設備、非常用照明設備などは毎年報告する必要があります。

 

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