世界の医療制度

 日本の日本の医療制度は、国民健康保険法によって、国民皆保険制度がとられているのが大きな特徴です。また、健康保険証があれば、日本国内の医療機関は、どこでも誰でも自由に診療を受けることができます。それでは、他の国の医療制度はどうなっているのでしょうか。
 お隣韓国から見ていきましょう。韓国は日本と同じく、国民健康保険があり、加入義務があります。加入者は雇用者が加入する場合と、その他の自営業者が加入する場合では保健料率が異なりますが、年齢はあまり関係なく所得に応じて負担額が増えていきます。日本に比べて、かなりシンプルな保険制度になっているのが特徴です。
 GDPでは日本を抜き去り、世界第2位となった中国。中国の医療制度は、現在整備中といった所です。基本的に前払いで、医療保険制度も整ってはいない状態。治療を受けられるのは富裕層のみで、お金のない人間が病院を利用すると破産を覚悟しなければいけないと言われています。
 次は、医療費が高いことで有名なアメリカ。どのくらいかと言えば、盲腸手術での日帰り入院でも100万円程度は当たり前と言われています。アメリカでは、公的健康保険制度は高齢者や障害者、低所得者のもので、健康な働き盛りの人はもちろん、子供や主婦も民間保険に加入しなければ高額な医療費はカバーできません。そして、保険料を支払えない人は、当然医療費を支払うこともできなくなり、医療格差は大きいといわざるを得ません。アメリカの無保険者数は、人口の1割以上になっています、
 アメリカとは対極をなすといわれている医療制度といわれているのがイギリスです。公立病院であれば医療費は原則無料。ですが私立病院は日本では考えられないほど高額な医療費が必要になっています。公立病院はよほどの緊急でなければ、待ち時間も長く、人手不足も否めません。
 次は日本と同じく、重税国家であるスウェーデンを見てみましょう。税金が高い分、日本と同様やはり国民皆保険制度があります。医療費は19歳までは無料で、二十歳から負担する必要があります。そして負担する金額も上限があり、日本とは比較にならないほど安く、老後も手厚い保護が受けられます。そのかわりと言っては何ですが、医療の質そのものは日本に比較すると低くなっています。
 インドの医療費は、日本など先進国から見ればかなり安くなっています。なぜなら人件費そのものが安いからです。公共の医療施設の利用も、手数料だけで誰でも利用可能になっています。また、高度医療も日本に比べれば低料金で利用できます。ただし貧富の格差が大きいため、こうした高度な医療を受けられるのはごく一部。公共の医療施設は患者が殺到して人手不足、順番が回ってくるまで数日待ちになることも。
 基本的に医療費が高い国ほど、医療制度は整っているのは当然で、医療費が安い国ほど医療サービスの質は低下する傾向にあります。ただし日本だけは例外で、国民皆保険制度でありながら高度な医療サービスが受けられる日本人は、日本の医療制度への満足度はかなり低くなっています。安く、そして高度な医療を求める日本人を満足させるような制度は、どの国を見ても残念ながらなさそうです。

 

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