セカンド・オピニオンの意味

 オピニオンとは、「意見」や、「見解」というような意味です。つまり、セカンド・オピニオンとは、主治医以外の医師へ、意見を求めるという事になります。まれに誤解している人がいますが、「セカンド・オピニオン」とは「医者を替える」という意味では決してありません。セカンド・オピニオンというと、医師が信用できないから他の医師へ行く事だと考えるのは間違いです。
 これまでは、医師と患者、もしくは病院と患者の関係は患者側がすべてお任せするというスタンスでした。医師のいう事は、納得できなくてもしたがって当たり前という風潮があったのです。ですが現在では、患者側、いいかえれば消費者側も賢くなろう、自分で満足できる治療を選択したいと考えるようになってきているのです。手術を進められても、なかなか決断できないというような場合、他の、例えば投薬での治療はできないのか、その場合のリスクは手術と比べてどの程度なのかを、患者が客観的な意見をもとにして考えるための制度という事になります。
 もともとセカンド・オピニオンは、医療費が高いアメリカで、もっと安い治療方法や安い医薬品が使えないかを探すために始まったとされています。ですが現在では、いかに自分の考え方にあった治療を受けられるのかといった、精神面が重視されるようになり、その中で医師を信用できない時にセカンド・オピニオンを利用するといった誤解も生まれてしまいました。これは患者側だけではなく医師側でもそうした考えの人は存在し、セカンド・オピニオンを望む患者に対して非協力的な意思がいるのも事実です。
 そうした医師に当たってしまった患者は、どうしてもファースト・オピニオンに不満を持ちやすく、セカンド・オピニオンでも失敗してしまうことが少なくありません。ファースト・オピニオンとセカンド・オピニオンの意見が異なっていた場合にセカンド・オピニオンの方が優れた治療法だと考えてしまいやすく、ファースト・オピニオンとセカンド・オピニオンの意見が一致していれば、さらに違う意見を探してしまいたくなるというケースもあるのです。医師の側にも、確かに患者側の目線でインフォームド・コンセントができる人はさほど多くはありません。ほとんどの人は理解してはいなくても同意書にサインをしてしまう事が多くなっています。セカンド・オピニオンを利用するとなると、今度はなかなか同意できなくなり、適切な治療時期を逃してしまう危険もあります。自分が望んだ治療が、望む結果になるとは限りません。セカンド・オピニオンを受ける場合は、思い込みを無くして不信感を拭うためにも、自分自身でも治療方法について調べて、さらに自分よりも医術の知識にすぐれた医師の立場からの意見を聞くものだと心得ましょう。
 具体的にセカンド・オピニオンを受ける場合は、主治医から紹介状を書いてもらい、その病院へ行くのが普通です。紹介状がなければ一から検査をしなければいけないこともありますので、医療費の無駄使いとなりますし、セカンド・オピニオン外来では紹介状がなければ相談は受けられません。注意点としては、セカンド・オピニオン外来を受ける場合、相談費用は100%自己負担となる点です。30分で2万円程度が普通です。通常セカンド・オピニオン外来では、治療や検査は行いません。セカンド・オピニオン外来ではなく一般外来を受ける場合はもちろん通常通りですが、検査や診察をやり直す事になりますから最初から転医希望の場合はこの方法をとることもあります。

 

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